9. ナムフォン(南香)亭とレ・タイ・ト(黎太祖)像

 

この亭はホアン・キエム湖の伝説を記念してレロイ、即ちレ・タイ・ト(黎太祖)像と共に湖の西岸に建てられました。境内は元々ハンチョン(太鼓)通りとニャートー(大教会)通りの交差点まで伸びていましたが、フランス植民地政府はホテルや店を建てるため境内の施設をつぶしてしまったのです。現在の2階建ての亭は1902年、湖に向いたレ・タイ・ト像を見下ろす位置に建てられました。以前は天蓋の下に石碑があっただけでしたが、1900年、魔法の剣を持ったレ・タイ・ト像が高い柱の上に据えられました。2000年にはハノイ建都990年を記念して庭園が再建され、更に2007年には寺から下りる石段が造られました。亭はかつてのハンチョン村の集会場でもありました。少なくとも1920年から1950年までは主に旗作りの村でしたが、太鼓や刺繍壁飾り、掛け布、日傘なども作っていました。亭の中でそれらを見ることができます。絹糸で刺繍された赤い布が祭壇にかかっています。また、黄色い刺繍の傘がレ・タイ・ト王にかかっていますが、この色は王を意味します。更に赤い太鼓や梁から垂れる金の掛け布も見られます。